地域医療・在宅医療

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医薬分業とかかりつけ薬局

医薬分業とは、病院や診療所にかかった際、医師から薬をもらう代わりに「処方せん」をもらい、保険薬局にその処方せんを持って行って薬剤師の調剤した薬を受け取ることをいいます。

処方せんとは、医師が診療した上で治療に必要な薬の名前(使用量)、服用方法(使用方法)を記載した公文書のことをいいます。

医療の質の向上を図るために、医師は診療に集中し、薬は薬剤師に任せる医薬分業が推進しました。医薬分業では、医師と薬剤師の二人の専門家によって処方内容のダブルチェックをすることにより、複数の病院・診療所の薬について重複の防止や薬の飲み合わせ・副作用のチェック等ができるなど患者に安全・安心な医療を提供することができます。

当会では「センター薬局市民病院前店」「センター薬局済生会病院前店」「センター薬局中央総合病院前店」の3つの会営薬局を開局し、地域の医薬分業の基幹的な役割を担う薬局として位置づけ、医薬分業を円滑に進めてまいりました。

それぞれの病院内には医薬分業相談コーナー兼ファックスセンター」を設置して、かかりつけ薬局の啓発や医薬分業のシステムの説明を行い、事前に患者が選定する薬局へ患者の処方内容をファックスしておくことによって、待ち時間短縮等の患者の利便を図っております。

また患者が複数の医療機関の処方せん調剤を受ける時であっても、一般医薬品を購入する時であっても、いつも決まった1つの薬局・かかりつけ薬局を持つことにより、薬の飲み合わせや重複、アレルギー症状や副作用が管理されるので、薬による患者の治療がより効果的なものとなります。

医薬分業相談コーナー兼ファックスセンター
かかりつけ薬局では、薬や健康について 様々な情報提供を受けることができます

地域連携薬局と専門医療機関連携薬局

令和3年8月1日より薬機法が改正され、特定の機能を有する薬局の認定薬局制度が施行されました。

患者が自身に適した薬局を選択できるよう、特定の機能を有する薬局は、都道府県知事による認定を受けることができるようになります。認定薬局には「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」があり、「患者のための薬局ビジョン」において示された、今後の薬局に求められる機能が具体化されたものです。

認定薬局は、他の医療提供施設と連携して対応できる薬局です。

患者様は地域で様々な療養環境(外来、入院、在宅医療、介護施設など)を移行する場合や、複数の疾患がある方で、多剤を服用している場合であっても、自身に適した安全かつ有効な薬物療法を切れ目なく受けられることが期待できるとされています。

【地域連携薬局】

《 役割 》

○ 外来受診時だけではなく、在宅医療への対応や入退院時を含め、他の医療提供施設(医療機関、薬局等)との服薬情報の一元的・継続的な情報連携に対応できる薬局です。

○ 入退院時における医療機関との情報共有や、在宅医療時における他の薬局との連携などによって、地域の患者様が安心して薬物治療を受けられるようにサポートする役割が期待されています。

○ 地域連携薬局として、他の薬局に対する医薬品の提供や医薬品に係る情報発信、研修等の実施を通じて、他の薬局の業務を支えるような取組も期待されております。

〇 健康サポート薬局と地域連携薬局は、かかりつけ薬局機能を有している点では共通しています。健康サポート薬局は、疾病前の段階から健康相談等を通じて地域住民の健康維持・増進をサポートすることが求められます。一方で、地域連携薬局は、疾病にかかっている患者に対して他職種との連携を図りながら、薬局が地域包括ケアシステムの一翼を担うことが求められています。

 

《 認定の主な要件 》

〇 地域の医療機関や他の薬局との情報共有

〇 地域包括ケアシステムの構築に役立てる会議への参加

〇 夜間・休日の対応を含めた地域の調剤応需体制の構築・参画

〇 地域の他の薬局への医薬品提供体制の整備

〇 地域包括ケアに関する研修を受けた薬剤師の配置

〇 在宅医療への対応(麻薬調剤の対応等)等

〇 服薬指導に配慮した構造設備、またバリアフリーに配慮して構造設備等

〇 医療機器及び衛生材料を提供するための体制

【専門医療機関連携薬局】

《 役割 》

○ がんなどの専門的な薬学管理が必要な患者様に対して、他の医療提供施設(医療機関、薬局等)と連携しながら、専門的でより高度な薬学管理や調剤に対応できる薬局です。

○ 専門医療機関連携薬局として、他の薬局に対する抗がん剤等の医薬品の提供、がんの薬物療法に係る専門性の高い情報発信、高度な薬学管理を行うために必要な研修等の実施を通じて、専門的な薬学管理が対応可能となるよう他の薬局の業務を支えるような取組も期待されております。

 

《 認定の主な要件 》

〇 地域の医療機関や他の薬局との情報共有

〇 専門的な医療の提供を行う医療機関との間で開催される会議への参加

〇 夜間・休日の対応を含めた地域の調剤応需体制の構築・参画

〇 地域の他の薬局への医薬品提供体制の整備

〇 麻薬の調剤に対応できる体制

〇 学会認定等の専門性が高い薬剤師の配置等

〇 服薬指導に配慮した構造設備、またバリアフリーに配慮して構造設備等

【電子処方箋】

電子処方箋とはこれまで紙で発行されていた処方箋を電子化(デジタルデータ化)したものです。オンライン資格確認等システムで、患者様の同意のもとお薬の準備に必要なデータが薬局でデータ管理されます。

電子処方箋は、国が運営する「電子処方箋管理サービス」に情報が登録され、医師や薬剤師がオンラインで連携される仕組みです。このことにより患者様は、よりスムーズで安全に薬物治療を受けることができることとなります。

《 電子処方箋の流れ 》

◆ 患者様には、持参のマイナンバーカードで医療機関・薬局にそれぞれ設置している「顔認証付きカードリーダー」で受付後、本人確認、過去のお薬の情報の提供への同意を行っていただきます。

医療機関にて : 電子処方箋を発行

薬局にて : 電子処方箋を選択

《 電子処方箋のメリット 》

① 患者様の複数にまたがる医療機関・薬局での過去のお薬の情報が「電子処方箋管理サービス」で一元管理されるため、医師・薬剤師はそれらの情報に基づいた診察・処方・調剤を行うことができます。

② 患者様が同じ成分のお薬を服用されていないか、飲み合わせの良くないお薬にあたらないか等を防ぐことにつながります。

③ 今まで個別に管理していた患者様の情報が、電子処方箋システムよりデータベースで一元管理されることによって、より安心・安全な医療につながります。

④ 患者様は事前に電子処方箋を薬局へ送信しておくことで、薬局での待ち時間が短縮されます。

⑤ 電子処方箋をマイナンバーカードの健康保険証で 一度登録していただくと、保険証の変更があってもそのまま利用できます。

⑥ オンライン診療・オンライン服薬指導を利用すると全てがオンラインで完結できることになります。

【リフィル処方箋】

令和4年4月から国の制度としてお薬の新しい受け取り方としてリフィル処方箋が導入されました。


《 リフィル処方箋とは 》

処方箋は、たとえ同じ病気の継続治療であっても、医師がその都度診察を行ったうえで発行する必要があり、処方箋は1回限りの使用のものです。

令和4年4月から新しく導入された「リフィル処方箋」では、医師が指定した一定期間であれば、1つの処方箋を繰り返し使用して薬を受け取ることが可能な仕組みです。

「リフィル処方箋」を使えば、2回目・3回目は医師の診察を受けることなく、薬局でお薬を受け取れ、最大3回まで使用することができます。

症状が安定している患者について、医師の処方により医師及び薬剤師の適切な連携の下、一定期間内に処方せんを反復利用することができる仕組みです。

患者にとっては医療機関を受診する回数が少なくなり、通院の手間や待ち時間の負担を軽減できるメリットがあります。


《 リフィル処方箋の対象 》

病状が安定していて、通院をしばらく控えても大丈夫と医師が判断した場合が対象です。リフィル処方箋の対象外の場合は、希望しても対応できません。投薬量に制限のあるお薬や湿布薬、また新しいお薬はリフィル処方箋の対象外です。

また副作用の疑いがある場合や、薬剤師が服薬状況を把握できない場合は、リフィル処方の中止や中断する場合もあります。

なおリフィル処方箋による投薬期間が終了する前であっても、病状が変化した場合等に医療機関を受診することは可能です。


《 リフィル処方箋によるメリット 》

今まで90日分で処方されていた薬が、30日分で3回処方された場合、薬剤師が定期的に服用状況や副作用、体調の確認を行いますので、服薬の安全性向上につながったり、飲み忘れ防止につながるなどの効果が期待できます。

定期的に長期処方をしていると、患者の手元に大量の薬が余ったり、または自己判断で服用を途中でやめてしまった場合に発生する残薬問題があります。小分けに処方してお薬を飲み切ってもらうことによって残薬対策にもなると考えられています。


《 リフィル処方箋の条件 》

処方箋の「リフィル可」の欄にチェック(✔)と、リフィルの「回数」の記載があれば、それは「リフィル処方箋」です。

【オンライン服薬指導】

《 オンライン服薬指導とは 》

オンライン服薬指導とは、スマートフォンやタブレット、パソコン等のビデオ通話機能を利用して、ご自宅等からでも薬剤師による説明や相談を受けることのできるシステムです。

お薬は薬局から配達されご自宅で受け取ることも可能です。

  

《 メリット 》

① 薬局でのお薬の待ち時間がなくなります。

② ご自宅でお薬の受け取りが可能となります。

③ 患者様の予定に合わせてオンライン服薬指導の希望日時が選択できます。

④ 周囲を気にせず薬剤師に相談や質問ができます。

⑤ 移動や待ち時間中での感染リスクの心配がなくなります。

⑥ クレジットカードでのお支払いもご利用できます。

《 オンライン服薬指導の主な流れ 》

① 対面もしくはオンラインにて診察

② 処方箋を薬局へ送付

処方箋の内容FAXもしくはオンラインにて送付していただきます。

オンライン服薬指導では、患者様が薬局にオンライン服薬指導を受ける旨が伝わっていれば、患者様は薬局へ行く必要はありません。

処方箋の本紙は、オンライン診療の場合は医療機関から薬局へ、対面診療の場合の患者様から薬局へ、それぞれ渡していただくことになります。

③ 薬局にて調剤

薬剤師は処方薬・投与量・重複投薬・副作用等を患者様の過去データと照合しながら、薬が適切に処方されているかを確認します。

薬剤師が疑問を感じた場合は、処方医と相談します。

④ オンライン服薬指導の実施

患者様がオンライン服薬指導を行うためには、事前に薬局が用意しているアプリでインストールや登録といった準備をしておく必要があります。

服薬指導内容は対面式と同様、薬剤の情報が提供され処方されている薬の効能や効果、副作用、薬の飲み合わせ、取扱いの注意について薬剤師から指導を行います。

なおオンライン服薬指導の後は、必要に応じて薬剤師は患者様の状況について処方医と情報を共有します。

⑤ 薬の受け取りまたは配送

患者様が薬局で薬を受け取るか、薬局から患者様へ医薬品を配送する方法があります。配送する場合、別途配送料がかかることがあります。

「院外処方せんにおける事前合意に基づく調剤内容変更プロトコル」 の運用について

プロトコルとは、医師・薬剤師等により事前に作成・合意された薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダーに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施することを意味します。
保険薬局は、プロトコルに定められた形式的な疑義照会を事後にFAXすることで疑義照会したものとして、変更調剤が可能となります。
PBPMは、プロトコルに基づく薬物治療管理の略で、医師・薬剤師などにより事前に作成・合意されたプロトコルに基づき、薬学知識・技能の活用により、医師などと協働して薬物治療を遂行することが推奨されております。

薬剤師による疑義照会は医薬品の適正使用上、薬剤師法に基づく極めて重要な業務です。 近年、処方せんに患者の疾患名や検査値などの情報が付加されてきていることに伴い、 患者個々の病状や検査値を勘案した疑義照会・処方提案はますます重要となり、その件数が増えております。一方で、医学・薬学上の疑義には該当しない形式的な不備に伴う確認や、服薬状況の改善をはかるための処方変更の承認伺いなどもそれ以上に多く、患者・保険薬剤師・処方医師それぞれに負担をかけることとなっています。
そこで、松阪地区薬剤師会では、地域の総合病院との協働・連携の推進を踏まえて、プロトコルに基づく薬物治療管理の一環として、医学・薬学上重要度の低い疑義照会等を減らし、患者への薬学的ケアの充実および処方医師の負担軽減を図る目的で「院外処方せんにおける事前合意に基づく調剤内容変更プロトコル」を運用しております。
なお、運用に関して、例えプロトコルに基づく場合であっても、患者が不利益を被らないように十分な説明を行い、患者の同意を得た上で適用し、病院に速やかな報告を行うなど決して合意の枠内を逸脱しないよう慎重かつ誠実に対応しております。