約3年にわたって法に基づく感染拡大時のさまざまな制限がかせられた新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けは、5月8日より、季節性インフルエンザと同じ5類へ引き下げられ、対応を個人の判断に委ねることを基本とする仕組みへと緩和されております。
ただし新型コロナの感染はいまだ収束しておらず、5類移行後も増加傾向が続いており、依然として感染拡大の備えを整えておきましょう。
5類移行後、外来や入院の医療費は原則自己負担となっております。原則7日間とされてきた療養期間は、5日間の推奨となっております。国は緊急事態宣言を発令できなくなり、入院勧告や外出自粛要請もなくなりました。ワクチン接種は本年度いっぱい無料です。なお、現在、高額治療薬や入院の費用への軽減措置は9月末まで続く予定です。
医療提供体制も見直され、2類時まで外来診療を担う医療機関は発熱外来が主体でしたが、一般の内科・小児科などにも拡大しております。
新規感染者数の公表方法も変更しており、2類時は全国や都道府県の状況が毎日まとめられ全ての感染者数が報告されておりましたが、現在は季節性インフルと同じ対応で、指定された特定(定点)の医療機関からの毎週1回の公表となっています。
変更ポイント
- 国が一律に日常における基本的感染対策を求めることはありません。
- 感染症法に基づく、新型コロナ陽性者及び濃厚接触者の外出自粛は求められなくなりました。
- 限られた医療機関でのみ受診可能でありましたが、幅広い医療機関において受診可能になりました。
- 医療費等について、健康保険が適用され1割から3割は自己負担が基本となりますが、治療薬や入院医療費は9月まで経験措置が継続されます。
外出を控えるかどうかは、個人の判断に委ねられます。その際、以下の情報を参考にしてください。
Q:新型コロナウイルス感染症は、他の人にうつすリスクはどれくらいありますか?
Ǎ:新型コロナウイルス感染症では、鼻やのどからのウイルスの排出期間の長さに個人差がありますが、発症2日前から発症後7~10日間は感染性のウイルスを排出しているといわれています。
発症後3日間は、感染性のウイルスの平均的な排出量が非常に多く、5日間経過後は大きく減少することから、特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことに注意してください。
また、排出されるウイルス量は発熱やせきなどの症状が軽快するとともに減少しますが、症状軽快後も一定期間ウイルスを排出するといわれています。